第二博愛寮
DAINI HAKUAIRYOUそれぞれの「自立」の形を探して。
第二博愛寮には、幅広い年代(10代後半から80代後半)のさまざまな障がいをお持ちの利用者さんがいます。生産活動に参加するなど仕事をしている方や、生活におけるほとんどすべてのことに支援が必要な方などがここでともに暮らしています。
わたしたちはこれからも、そのお一人おひとりの「自立」の道を探し、共に考え共に行動していきます。
共に暮らす
日々の暮らしにおける支援は、個々の利用者さんのニーズに応じて行っています。日中活動においても、お一人おひとりの趣味嗜好や特性を考慮し、創作活動や音楽活動、スポーツなどを定期的に実施しており、利用者さんはそれぞれお好きなものを選び参加されています。また年に一度の利用者旅行は、利用者さんの希望を元にみんなで話し合い、行き先を決定しています。
私たちはこうした活動を通じて、平板化しがちな施設での生活に変化と彩りを加えていただき、それぞれの笑顔が輝く瞬間を見つけていきたいと考えています。
穏やかな暮らし
その実現に向けた取り組み
近年、発達障がいや強度行動障がいをお持ちの利用者さんが増えており、これまで以上にそれぞれの状態・特性に合った、個別の支援が必要となってきました。彼らの穏やかな暮らし実現に向け、私たちはハードとソフトの両面から取り組んでいます。
まず、「他者との関係構築が苦手な発達障がいをもつ利用者さんも安心して暮らせる場所をつくること」を目的に、2018年敷地内に専門棟を建設しました。こちらは全室個室で、生活のすべてがこの建物内で完結するよう必要な設備を整えました。そして、専門研修を受講した、知識と経験を有する職員が参加する専門の支援チームを中心に、利用者さんの個別具体的な支援内容について計画・実行・検証を行うなど、チームケアを実践しています。
このような取り組みの結果、生活リズムが整い生産活動に参加することができるようになったり、他者からの刺激で過剰に興奮していた方が落ち着いて生活できるようになるなど、目に見える形での変化が起きています。
すべては利用者さんの笑顔のために。その笑顔の輪を広げるため、これからも職員一同チームで取り組んでいきます。
それぞれの特性にあった
仕事や役割を
一緒に見つけ、取り組む
第二博愛寮は、創設時より日中活動に農作業を取り入れてきました。現在は主に、ネギ栽培・原木椎茸の生産、乾燥椎茸の柄切作業を行っています。この長きにわたる活動の中で、その活動の一部が発達障がいをもっている利用者さんにとっても、安心して取り組めることがわかってきました。個々の利用者さんの特性を見極め、ご本人が安心して取り組める作業を提供することで、その方にあった「働く」を実現しています。
令和3年度には新しく「洗濯工場」を開設しました。利用者さんの特性に合う新たな働く場所として数人の利用者さんが働いています。作業場はアットホームな雰囲気で落ち着いて作業をすることが出来ています。
この活動は、特別支援学校の実習生も受け入れをし、在学中の実習段階から、卒業後の進路先として早期から検討していただくことが可能です。
地域とともに
みんなで暮らしを支え合う
近年、年間を通じてさまざまな自然災害が発生しています。第二博愛寮は、自治体より福祉避難所の指定受けており、災害時にはいち早くその対応を行うなど、地域の災害拠点としての機能を果たしています。
2019年より、戸次地区の地域ネットワーク会議に地域の一員として参加しています。今後も施設の枠を越え、障がいがある方も高齢の方も、誰もが安心して暮らせる地域づくりに貢献していきます。
一人ひとりが安心できる
「未来」を創っていく
第二博愛寮は、年間を通じ多くの実習生を受け入れています。
高校生から社会人まで、将来福祉分野での就職を希望する人からそうでない方も含め、実に様々な年齢・フィールドの方々の学びの場となっています。
こうした次世代の育成に積極的に参加することで、若い世代・さまざまな分野の方々と共に未来を創っていきたいと考えています。