全国アビリンピック銀メダルを獲得しました!

全国アビリンピック銀メダルを獲得しました!

昨年12月東京にて行われた、第41回全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)の喫茶サービス部門に、大分県立美術館カフェ・シャリテの高橋夏姫さんが大分県代表として出場し、見事銀賞(全国2位)の栄冠に輝きました。

大会出場までの歩みと受賞そしてその後に関して、彼女を日頃から支援し、大会出場に向けて、長年二人三脚で取り組んできた、博愛会地域総合支援センターA型事業所の板井支援員よりお話しを伺いました。

受賞後、カフェ・シャリテにて

Q:今回の受賞につながった一番のポイントは、どんなところだと思いますか?
A:なんといっても、本人の“努力”と“根気強さ”と思います。

前回大会出場から数えると、準備期間はおよそ2年です。長期間モチベーション維持し、努力し続けることは容易ではありません。途中自信を失い弱気になったり、出場を辞退しようかと考えたこともあったようです。しかし最後は本人の根気強さと「絶対に金賞を取る」という強い思いで乗り越え、日々の勤務に加え、仲間との自主練習に取り組み、ベストコンディションで大会に挑むことができました。

2021年大分県大会では、カフェ・シャリテで働く高橋さんが1位、鍋嶋さんが3位を獲得しました。

Q:これまでにも全国大会出場経験のある「高橋さん(そして板井支援員チーム)」ですが、本大会で一番難しかったことはどんなことでしょうか。

A:大会前日に大幅なルール変更が発表されたことです。これまでにはなかった「感染対策」が追加され、大きな不安要素となりました。

 日頃の練習では、とにかく「こんなシチュエーションもあるのでは?」とイレギュラーな状況を想定し、スムーズに対応出来るよう幾度となく繰り返すことで、様々な状況への対応方法を習得してきました。しかしこうして前日、大きなルール変更が発表され、私たちは戸惑いました。ご本人をどうフォローするかを考えた際に、「直前のこのタイミングで新たなパターンを追加し過ぎても本人の混乱を招くのではないか」と感じ、最終的に“とにかく明るく楽しく接客すること”を意識するよう伝えました。本人からは「元からそのつもりです‼」と一言。私が言わずとも闘志を燃やしていました。

 とはいえ、競技中はやはり新ルールが足枷となり、普段出来ている確認事項の抜けや他者との連携が上手くいかない場面もありました。しかし明るく楽しく接客することに関しては会場の空気が変わる程で、私も観客席から見ながら“どうだ!”と思いました。

大会出場まで、仲間と一緒に繰り返し練習に励みました。

Q:では、3位以下と圧倒的な差をつけられたな!と感じた、ということですか?

A:いえ。それがそうでもなくて。大会終了後、競技中の動画を本人と一緒に見て、正直今回の受賞は厳しいだろうと感じました。それは高橋さんのほうが強く感じていたようで、僕はとにかくご本人がショックを受けないようフォローすることで精一杯でした。

結果発表では、良くて努力賞か銅賞だと思っていた私達は、努力賞・銅賞で名前が上がらなかった時点で一瞬絶望しました。その後銀賞で名前が上がった時の感動は一生忘れません。結果を聞いて第一声に「良かった」と本人が発した言葉は、嬉しさよりも安堵が強かったと思います。本人が泣いて喜んでいる姿を見て、私も思わず泣いて喜びました。正にこれまでの努力が報われた瞬間でした。

※コロナ禍のため、例年のような会場での表彰式はなく、インターネット上で行われました。

(ドキュメント)第41回全国アビリンピック「銀メダル」受賞の瞬間!! – YouTube

Q:大会後のご本人の様子を教えてください。

A:まず、2月14日に大分県庁で入賞報告会が行われました。その際ご本人は、大分県商工観光労働部の方々がいる前で少し緊張しながらも、銀賞を取れて嬉しい気持ちと「来年は金を取りに行く」という思いを語りました。なお、こうして言葉にすることでより目標に対する意識がより強くなったようです。

大会出場は、大会に限らず日々の仕事にも良い影響を与えます。これはこれまでの出場を通じても強く感じます。出場を重ねるごとに、高橋さんの接客スキルは確実に上がっているのは間違いありません。

Q:ご本人から、何か一言いただけますか?

A(高橋夏姫さん):板井支援員がこれまで話してくれた通りです。今回は、次に向けて取り組むべき具体的課題が沢山見えたと感じています。次の大会に向けて、その課題を克服し「来年は絶対に金をとる」という気持ちで接客業務に取り組んでいきたいです。


ありがとうございました。

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